私の趣味のひとつに狩猟と言うものが有りますが、これはもう
随分と永くやっておりまして、年間にたった三ヶ月の短い期間
ですが毎年猟場に立っております。
ボチボチあと何年狩猟を続けられるかと考える歳になって
参りましたのでこれまでの思い出や感じた事をフィクション、
ノンフィクションを織り交ぜまして綴って見ようと思います。
難しい狩猟用語や使用する狩猟銃に関しましてはマニアックな
事は省きまして、子供の頃のせみ取りや小魚釣りの延長の様な
もので、たいがいの男の子が遊び昂じた、何か獲物を獲ると
云った喜びをそのまま大人になっても続けているトッチャン坊や
の独りよがりと思って下さい。
昔から日本の狩猟人の格言で【一犬、二足、三鉄砲】と言う言葉が有ります。要するに猟をこれからするなら
嫁さんを質に入れてでも良い犬を買って来い、また猟場を元気に歩き回れる様な強い足腰を常から鍛えておけ。
最後に準備が出来たら鉄砲を仕入れて来い!と言う様な意味です。
しかし鉄砲が好きで狩猟を始めた方や歩き回れば健康の為に良いと始めた方。
はたまた犬が好きで猟を始めた方と狩猟への入り口は各自色々です。
勝手な順番を付けて貰っては困ると言う意見もよく聞きますが、決して1位から3位までの大事な順番などでは
無く、この三つが大事と言う意味で捉えるのが正しいと思います。
狩猟銃は100年でも持ちます。私たち人間はせいぜい70年程、しかし猟に使う犬は使役犬ですからハード
です。9〜11歳程が寿命です。また現役で使うのは7〜8歳までです。この大事な愛犬を一番先に、次に
自分の事、最後に鉄砲を持って来る言い回しはこれだけでも素敵な格言ですね。
昔の映画の西部劇で主演はジョン・ウエイン、題名は確かリオ・ブラボーでディーン・マーティンも
出てました。
その中でリッキ−・ネルソンが歌う主題曲が【ライフルと愛馬と私】でした。カウボーイが
厳しい生活の中での夢を歌ったものでしたが、ライフルや愛馬の順番の違いは文化の違いかはたまた当時の
世相か、しかし何かフィールドでの人間の脈絡たる連帯感を感じてしまいます。中々哀愁の有る歌でしたが,
それだけでヒットしたのでは無いようです。あまりに流行ったのでディーン・マーチンもTVに出て歌って
おりました。
さて、獲物を求めてフィールドを駈け巡る素晴らしいガンドッグやシューティングドックと、すでに
よろよろと猟場を歩く私や猟友、そして各自が愛する猟の話のはじまりです。
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